糖尿病性腎症になった場合の食事管理の方法とは?

糖尿病性腎症になった場合の食事管理の方法とは?

糖尿病性腎症になった場合の食事管理の方法とは?

 

 

糖尿病を発症してしまう患者さんは、そのほとんどが過食気味であったり塩分の濃い食事が好きだったりすると思います。

 

もちろん「糖尿病」の定義は糖代謝の故障による血糖値の上昇なのですが、近年ではそれだけにとどまらず三大合併症の発症も増加しています。

 

その中でも特に糖尿病性腎症を発症する方は増加傾向となっていて、最近では透析導入の原疾患第一位にもなっている程大きな問題となっているのです。

 

このことは、糖尿病の発端となる食生活の乱れにおいて、炭水化物を始めとした糖質の過剰摂取と並んで塩分が過剰摂取となっている方も多いためと考えられます。

 

 

 

○病院で行われる糖尿病性腎症の食事管理の基本とは

 

現時点での糖尿病患者に対する食事指導のマニュアルでは、「腎機能の低下が見られていない場合には血糖について重点的にコントロールできるような食生活を意識する」となっています。

 

しかし私は、糖尿病と診断されたらその時点から腎症を見据えた食生活をすることをおすすめしています。

 

現在病院などで指導されている糖尿病性腎症患者の食事療法の基本となっているのは、高血圧ではない患者さんの場合には第1、2期ではタンパク質は取りすぎに注意する必要はありながらも、食塩やカリウムなどには厳密な制限はなく、とにかく総エネルギー25〜30kcal/kg/日を守りながら血糖コントロールに努めることとされています。

 

そして尿中のアルブミン量が多くなってくる第3期Aになると、カリウムの制限がないながらも、タンパク質や食塩量には気を付ける食事指導の内容となります。

 

総エネルギー量は25〜30kcal/kg/日、タンパク質は0.8〜1.0g/kg/日、食塩は7〜8g/日が目安です。

 

持続タンパク尿が見られる第3期Bになってくると、次第に制限の範囲が拡大していきカリウムについても意識しなければいけなくなります。

 

食塩は1日に7〜8g、タンパク質は0.8〜1.0g/kg/日にコントロールし、総エネルギー量はこの頃から30〜35kcal/kg/日と第3期Aの段階までよりも多めを意識しなければなりません。

 

透析の検討、導入がなされる第4期では、総エネルギーを30〜35kcal/kg/日に、タンパク質は0.6〜0.8g/kg/日、食塩は5〜7g/日、カリウムは1.5g/日にと、糖尿病食としてはもっとも厳重な食事管理が必要となってきます。

 

 

糖尿病性腎症になった場合の食事管理の方法とは?

 

 

 

○塩分過剰の食生活で起こる体への影響とは?

 

しかし冒頭でもお話したように、糖質の過剰摂取が問題となる方においては多くの場合に塩分の過剰摂取の問題もセットになっていると思います。

 

そこで、まだ腎機能に低下が見られていない糖尿病の初期の頃に塩分やカリウムについての制限が特に設けられていないからといって、食事の塩分量に気を付けることなく気の赴くままに食事を続けていると、体の中では過剰になった塩分を薄めるために様々な働きが発動して、血圧が高くなったりむくんだりすることが多くなってしまいます。

 

ここで注目すべきポイントは、カリウムとナトリウムはセットでバランス良く体内に取り入れる必要があるということです。

 

カリウムは塩分が体内でナトリウムに分解された際に、それを各組織に運ぶ役割をしています。

 

このためカリウムの摂取量が不足してしまう、もしくはカリウムの摂取では補い切れない量のナトリウムを摂取してしまうと、ナトリウムを骨や細胞に運ぶことができなくなってしまうため血液中のナトリウム量が多くなってしまい、体は単純に“血中にナトリウムが多い=薄めよう”となって、細胞内の水分を血液中に取り込み始めるという機能が発動します。

 

それでも細胞内の水分量というのはたかが知れているので、そのうちそれでは追いつかなくなって尿や汗の排出が抑えられて血液量が増加し、高血圧が慢性化するようになってしまいます。

 

これで薄めてみたは良いものの、それでもやはりナトリウムは体にとって過剰になっているので、それを排泄するために腎臓は増加した血液のろ過を頑張ることになってしまい、それが大きな負担となって機能低下を招くという仕組みになっています。

 

 

糖尿病性腎症になった場合の食事管理の方法とは?

 

 

 

○塩分の取り過ぎが心臓に直接影響を及ぼしてしまう?!

 

また、ナトリウムはカリウムと一緒に移動することで筋肉に電気刺激を与えて伸縮させるという役割も担っています。

 

そして臓器のなかで最も筋肉量の多い心臓では、その電気信号によって規則的に鼓動を繰り返しています。

 

このとき塩分の過剰摂取が持続すると、体内のナトリウム量が増加してしまうことでこの電気刺激が正しく行われなくなり、心臓の鼓動が不規則になっていって心疾患のきっかけとなってしまうのです。

 

このように、塩分が元となる“ナトリウム”と“カリウム”がバランス良く適量で体内に取り入れられないと、私たち人間は一気に体中のあらゆるところに影響を及ぼしてしまうことになります。

 

まさに、一事が万事です。

 

 

糖尿病性腎症になった場合の食事管理の方法とは?

 

 

 

○“何か起こる前”の予防が一番大切です!

 

「糖尿病性腎症」と診断名がついてしまうと、それはもう“腎機能の低下が始まりました”と宣言されたことになり、すでに体の中では高血圧やむくみ、心臓の規律崩壊などが始まっているということになるのです。

 

ここまでくると、“そこから体の機能を改善させる”のではなく“なんとか現状で踏みとどまらせる”という医療しか適応できず、そこからは体がジワジワと蝕まれていくのに一生懸命抗う生活となってしまい、なんとも苦しい日々となってしまうことでしょう。

 

“自分はまだ糖尿病になってないから大丈夫”、“糖尿病の兆しはあるけど腎症にはなってないからまだ大丈夫”というように他人事に受け止めず、『そうなっていない今だから気を付けられること』に目を向けて、1日でも長く健康的な日々を送れるような食事管理を今日から気を付けていきたいものですね。

 

 

糖尿病性腎症になった場合の食事管理の方法とは?

 

 

 

 

 

肉料理との上手な付き合い方を理解して糖尿病や生活習慣病を予防しよう